基幹システムとAzureの機能を併用することで、機能・データ保管において費用対効果の高いスマートソリューションが実現可能となり、データの収集・加工・保管における時間と費用の問題を改善し、データの見える化について柔軟な選択肢を持つことができます。
Azure拡張(本サービス) | 基幹システム | |
---|---|---|
データ収集 | セルフBI・レポーティング・AIに向けた高速な大量データ抽出が可能 | 大量データ抽出に時間がかかり、従量課金が発生する場合がある |
データ保管 | データレイクで画像やIoTの生データを大量保管することが可能 | データレイクが無いため、生データをサービス内で保管することが困難 |
データ統合 | 住所正規化やデータ名寄せ機能が充実 | 住所正規化やデータ名寄せ機能が限定的で、他システムとのデータ整合性を合わせるために手動調整が必要 |
カスタマイズ | カスタムUIやカスタムAIがネイティブ実装可能。多様なAPI/SDKを提供しており、高いカスタマイズ性がある | カスタムUIやカスタムAIのネイティブ実装に多数の手順が必要 |
ユーザー エクスペリエンス | サーバーレスのアーキテクチャにより、必要に応じてリソースを割り当てるため画面遷移が高速 | 高度なカスタマイズが可能であるが、一方でその複雑性のため画面遷移が遅い |
コスト効率 | データ処理やストレージにかかるコストを最適化しており、コスト効率に優れている | オプションでの追加データ容量やインスタンスによる費用が高いため、コスト面で課題がある |
データバックアップ | Azureのバックアップ機能を使用 | 有事に備えたシステムとデータのバックアップ対策が必要 |
データ保全 | サービス解約時もデータを保全可能 | サービス解約時にデータが移行できずに消失する可能性がある |
機能拡張について
基幹システムやパッケージ製品には、カスタマイズにはサービス上の制限があります。そこで、Azure上にウェブサイトを拡張することで、エンドユーザー様に向けた「機能拡張ページ」を、機能制限なく構築します。サイトを訪れたユーザーは、シングルサインオンなどで、新機能をご利用いただけます。
ユースケース
機能拡張はユーザー様のニーズによって行うため、様々なケースがあります。
請求書など定型書類の一括出力
大量データの入力・処理・出力
特殊なロジックUI
AI処理
10万件を超えるような大量データの処理も可能
データ形式・データ量にかかわらず、生データを一括処理
Power BIでの分析や、レポーティングに適したデータに加工
データに基づいた、最適な意思決定を行うことが可能
大量データ処理とレポーティングについて
日々大量に発生する生データ(IoTのデータ、購買データ 決済データ、カスタマーサポートのデータなど)のままでは、業務現場でそのままでは活用できません。 特にデータ数が多い場合は、基幹システムなどSaaSの中で処理するには時間がかかったり、別途ライセンス料がかかる場合があります。BIツールによるデータ分析やレポーティングには、大量データの一括処理による加工が必要で、これをAzure内で行うことで、業務に役立つデータに組み替えることができます。
ユースケース
ある企業では、ビジネス要件に合った加工を施した処理済みデータをPower BIで読み込んで可視化したり、分析を行ったり、ビジネスレポートの作成やプレゼンテーションに使用しています。
大量データを使用するときでも、業務部門がセルフで集計可能
他のアプリケーションのデータも利用可能
各業務部門または経営に対するレポーティングが可能
企業独自のAI処理を実行するため、複数のシステムから大量のデータをAzure内に取り出し、AIモデルを実行
AI処理、ニーズ分析の結果をDynamicsやSalesforceに戻せる
Power BI はリアルタイムデータを統合し、予測結果を視覚化
カスタムAI処理について
基幹システムからデータを取り出すのには、データベースから直接操作するより時間がかかります。基幹システムの場合、データを取り出す際、ガバナ制限によってライセンス料がかかることもあります。企業が求めるカスタムAIを実装するために、Azure内にデータを出してAIモデルを構築し、ニーズ分析などを行うことができます。AIは膨大なデータを使って分析をするごとに予測の精度が上がるので、データ処理に制限の少ないAzure拡張は、カスタムAI処理で有効です。
ユースケース
ある居酒屋チェーンでは、全国の店舗でAzureを使ったAI出荷予測システムを導入しています。これは過去の販売実績や天気、気温といった気象情報のデータなどをもとに日々の飲料や食材の発注数をAIが算出・予測するもので、不要な発注や過剰在庫を避けることができ、利益の最大化につながっています。
仕入れや仕込みだけでなく、人員配置、設備、資金調達にも対応
以前より適切な発注量となり、メニューの欠品や廃棄ロスも減少
Dynamics/Salesforceには機能として備わっていない高度な「カスタムマイページ」を追加
DynamicsとWebサイトを連携させて Azure上にWebサイトを拡張、 「カスタムマイページ」を構築
カスタムマイページの構築について
基幹システムには、カスタマーポータルの機能がありますが、カスタマイズにはサービス上の制限があります。そこでDynamicsとWebサイトを連携させ、Azure上にウェブサイトを拡張することで、エンドユーザー様に向けた「カスタムマイページ」を、機能制限なく構築します。サイトを訪れたユーザーは、会員登録を行い、ログインIDとパスワードを取得することで、マイページを利用できるようになります。
ユースケース
「マイページ」での顧客データの蓄積は有益です。某企業では顧客属性、購入履歴など、収集したデータを販促や商品開発などのマーケティングに活かしています。
顧客属性や行動履歴でセグメントした個別コンテンツを表示することで、顧客との関係を強化でき、製品やサービスの追加購入・契約につながります
他のシステムと連携させることで、購買/契約履歴の表示やポイントの参照、クーポン付与などの機能を追加することも可能です
「マイページ」に表示されたコンテンツを何人の顧客が開封・閲覧したかなど、マーケティング施策の効果測定も行うことができます
複数システムで保管されているデータを統合して一元化
顧客データの重複、誤記、表記ゆれのクレンジング作業を行って正規化
名寄せ・正規化した顧客データはDynamicsやSalesforceに戻して活用
データの名寄せについて
基幹システムの営業、販売管理、マーケティング、カスタマーサポートなどのデータはシステム内でそれぞれ紐づいています。ECサイトなど、独立したシステムの販売データは、データの保管場所が異なるため、紐づいていません。会社にとってはいずれも重要な情報資産なので、Azureを使って名寄せを行い、顧客データを正規化して、基幹システムに戻すことができます。
ユースケース
複数のシステム上にある顧客データを統合することで、会社ごとの売り上げ、販売チャネルなどを一元化
Azure内で顧客データの重複や誤記、表記ゆれを削除・修正、クレンジング作業を行って正規化
顧客識別の際に共通のIDが存在しない場合は会社名、担当者名、住所、電話番号などの属性データをKeyとして、一致する顧客を同一顧客と識別して統合
DynamicsやSalesforceで使用しているアプリケーションやデータをAzure内に安全にバックアップ
現在は利用頻度が低いものの、重要で失いたくないデータをアーカイブ
データのアーカイブと保持について
基幹システムは安全にデータが保管されていますが、ストレージにバックアップを希望されるお客様向けにバックアップサービスを提供しています。
日々使用しているアプリケーションやデータを安全にバックアップ
現在は利用頻度が低いが、重要で失いたくないデータをアーカイブするときにも便利
基幹システムからはデータを削除したいが、企業内にはアーカイブが必要
ユースケース
企業にはアクセスの頻度は少ないものの、重要なデータというものが多数存在しています。ある企業では安全にデータを保存してくれるデータアーカイブがとても心強い存在となっています。
総務・庶務関係……株主総会議事録や取締役会の議事録など
経理・税務関係……現金出納帳、仕訳帳、固定資産台帳、買掛帳、売掛帳、決算書類(賃借対照表、損益計算書、総勘定元帳)、領収書、借用証、預金通帳など・監視カメラの動画データ
コールセンターの音声データ
災害などの事態に備えてアプリケーションやデータの複製(バックアップ機)を作成し、Webアプリケーションで提供
ストレージに拡張性があるため、完全バックアップが可能
インターネット接続があれば、端末を問わずアクセス可
バックアップ機の設置について
基幹システムには、業務の重要なデータが保管されています。Azure拡張では、災害など不測の事態に備えてバックアップ機を設置し、Webアプリケーションから代替機能を提供するソリューションを提供しています。バックアップデータをAzure内にコピーして、代替機能をWebアプリケーションから提供することで、業務を継続することが可能となります。
ユースケース
バックアップ機はAzure上に設置します。災害時など、万一の場合、ユーザーはWeb経由でアプリケーションやデータにアクセスできます。
基幹システムAzure拡張サービスが利用するストレージには拡張性があり、アプリケーションやデータの完全なバックアップを取ることが可能です
インターネット接続があれば、端末を問わずバックアップ機にアクセスできます
ローカルのバックアップメディア(HDD、磁気テープ、光学メディアなど)を使用することも可能です
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クラウド利用料を最適化して、システムへの投資対効果を確実なものとします
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